2022/2/5 - 2022/2/22

終了しました

ほっきょくでうしをうつ阿部海太原画展 『ほっきょくでうしをうつ』刊行記念

ほっきょくでうしをうつ

「はらがへった……どこかに えものになる どうぶつは いないのか」
極限の地で出会ったのは、ジャコウウシの群れだった。
探検家・角幡唯介の実体験を、画家・阿部海太が大胆に絵本化した1作。

本展では油彩で描かれた絵本原画全点の展示に加え、描きおろし作品数点の展示販売もおこないます。

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殺さなければ生きていけない。これはすべての生き物に共通するとてもシンプルな生の原罪ですが、実際にそれに直面したとき、私には慄きしかありませんでした。

阿部さんの絵を見て私が思い起こしたのは、現場にはりつめた緊迫した空気です。

答えは今も見つかりません。

角幡唯介(探検家)

 

引き金を引いたことのないこの手は、果たして何を描くことができたのだろうか。何を描くことができなかったのだろうか。

凍てつく世界。飢え。命のやりとり。そのどれもがキャンバスの前からはあまりにも遠く、描くという行為の軽さが浮き彫りになるようで苦しかった。

寓話化された角幡さんの鋭い肉体と言葉は、ひとつひとつの殺生の上で己が息をしている事実を白昼のアトリエに晒し、僕はただ呼吸を浅くしながら筆を動かすしかなかった。

この絵本においては、読むという経験と絵をつけた経験は「問われている」という点でそれほど差がない。僕は己のやり方で、絵を描くことで考え続けるしか仕様がない。

阿部海太(絵描き)

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■2月5日(土)、6日(日)に阿部海太さん在廊予定でしたが、最近の感染状況を鑑みて中止とさせていただきました。楽しみにされていた方には、申し訳ございません。ご理解のほど賜ればと思います。

  • 阿部海太(あべ・かいた)
  • 阿部海太(あべ・かいた)

    絵描き・絵本描き。1986年生まれ。埼玉出身。
    東京藝術大学デザイン科卒業後、ドイツ、メキシコに渡る。
    2011年に帰国後、神話や根源的なイメージをモチーフに絵本や絵画作品を発表。
    絵本に『みち』(リトルモア)、『みずのこどもたち』(佼成出版社)、『めざめる』(あかね書房)、共著に『はじまりが見える 世界の神話』『あの日からの或る日の絵とことば』(共に創元社)、『えほん遠野物語 しびと』(原作・柳田国男 文・京極夏彦 汐文社)などがある。
    2020年刊行の『ぼくがふえをふいたら』(岩波書店)で第26回日本絵本賞を受賞。
    撮影:加納千尋

開催日
2022年2月5日(土)ー 2022年2月22日(火)
時間
12:00 - 19:30(日曜日は19時まで) 水曜・第三火曜日定休 *最終日2月3日(木)は17時まで
会場

Title2階ギャラリー

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