2025/11/28 - 2025/12/22
『新装版 昭和柔俠伝』刊行記念 バロン吉元原画展
劇画家・バロン吉元が1971〜72年に発表した代表作『昭和柔俠伝』(リイド社刊)の復刊を記念し、同作の原画のみを一堂に集めた初の原画展を開催します。
物語の核となる名場面を厳選展示。バロン吉元はいかに時代を切り取り、そこに生きる人々の温度を紙にこめてきたのか……。印刷では伝わりきらない、いまだ筆致に息づく力を通して、原稿用紙の上で世界が立ち上がる軌跡を、原画で体感いただける機会となります。
『柔俠伝』シリーズでは、理不尽と不条理が渦巻く世の矛盾や混沌が、容赦なく描き出されます。『昭和柔俠伝』の舞台は、1936年から1945年にかけての日本社会。主人公・柳勘太郎が、生まれ育った満州を離れ、祖国・日本の地を初めて踏むところから物語は始まります。明治・大正・昭和を背景に、親子4代にわたって描かれた柳一家の姿は、信念を貫く瞬間もあれば、時に揺らぎに身を委ねながら、ひたむきに「いま」を生きていく……。
激動の時代においても、強きを挫き弱きを助け、多情多感にして義侠心あふれるその在りかたを描くためには、歴史と正面から向き合い、背景を調べ、綿密な取材により「生」の声を拾い上げながら描写することを、作者は作劇の背骨と据えてきました。
会場では、新装版『昭和柔俠伝』を初日より販売します。サイン本のほか、バロン吉元の新作グッズもご用意します。
ぜひご来場くださいませ。



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- バロン吉元(ばろん・よしもと)
1940年11月11日、旧満州・奉天市出身、鹿児島県指宿市育ち。1959年に漫画家デビュー。劇画隆盛期に『どん亀野郎』『黒い鷲』『殴り屋』ほか多数の作品を発表し、代表作『柔俠伝』はシリーズ4作を約10年間にわたり連載。ピーク時はひと月に300ページ超を執筆する人気漫画家となるも、1980年に全ての連載を終えて単身渡米、マーベル・コミックなどで作品を発表。帰国後は漫画執筆と並行して一枚絵に着手し、以後30年にわたりバロン吉元の名を伏せ絵画制作に没頭。2004年、大阪芸術大学キャラクター造形学科教授に就任し、2013年の退官まで後進育成に力を注ぐ。2015年には雅号をバロン吉元に統一。以降、漫画作品を収めた初の画集『バロン吉元 画俠伝 ArtWork Archives』(リイド社)や、絵画を中心とする『バロン吉元画集 男爵』(パイインターナショナル)を刊行。画業60年を迎えた2019年には日本漫画家協会賞文部科学大臣賞を受賞。近年は北米やヨーロッパを中心に過去作の翻訳出版が進み、展示開催や国際漫画祭への参加など国内外で精力的に活動。2024年には約20年ぶりの新作劇画『あゝ、荒野』(原作:寺山修司)を「コミプレ」(ヒーローズ)で月刊連載開始。
- 開催日
- 2025年11月28日(金)ー 2025年12月22日(月)
- 時間
- 12:00 - 19:30(日曜日は19時まで)水曜、第一・第三火曜定休日 *最終日12月22日(月)は17時に閉場します
- 会場
Title2階ギャラリー
