2018/6/7 - 2018/6/25

「手紙」
川上未映子×マームとジプシー「みえるわ」ツアーの記録

「手紙」

川上未映子さんの詩を、マームとジプシーを主宰する演劇作家・藤田貴大さんが演出し、女優の青柳いづみさんによる一人芝居として上演する。「みえるわ」と題したこの作品は、2018年の春に、全国10都市11会場を巡演しました。その旅を記録した「手紙」を展示いたします。写真と文は橋本倫史さん、デザインは名久井直子さんが手がけた37通の「手紙」です。

【展示によせて】

演劇というものは、現在という瞬間にだけ存在します。記録映像を残すことは可能でも、上演とはやはり別物で、その時間に劇場に足を運んだ俳優と観客のあいだにだけ存在しうるものです。それに対して、ドキュメントとして書き記された言葉は常に過去にあります。そこに書き綴られた風景というのは、すでに過ぎ去ってしまったものです。その言葉というのもまた、読者の目に触れる瞬間から見れば、過去に綴られたものです。

どうすれば現在という瞬間にだけ存在する演劇を記録することができるのか。そこで僕は、手紙としてドキュメントを書き記すという方法を選んでみました。ツアーに密着して全国を巡りながら、その土地土地で言葉を綴り、旅先から手紙として発送する。片面にはテキストが、片面には写真が印刷された手紙は、それぞれの土地の風景印を押してもらって投函しました。全部で37通をかぞえる、旅の記録です。(橋本倫史)

 

彼の目に映っていた、みえるわ。言葉の瞬間に、目を凝らし、耳を澄まし、綴り、過ごした日々は、どういう風に、どこへ届いて、だれに残るのだろう。
藤田貴大(マームとジプシー主宰・演劇作家)

 

三月が終わり、大好きな四月がやってきて、五月を通り越して、そうしてまた六月になる。
わたし達のみたもの、みなかったもの、かたちのないもの、ほんとうにはないもの、それらは言葉となって、ずっとずっと残ってゆく。
青柳いづみ(女優)

 

過去も、未来も思い出も想像も、ぜんぶが「今」に立ちあがる不思議。そしてその「今」は、言葉にすることができないということによってのみ存在するという、これまた不思議。
わたしら何をしてるねやろ。何にむかって何のために、一回きりや今を、なんで別のものに置き換えていくことをやめられんのやろ。
藤田くんが青柳さんを、橋本さんがふたりを、青柳さんが藤田くんを、言葉がみんなを、みんなが言葉をみている四月、今どこに?
川上未映子(作家)

 

*イベント会期中の6月18日(月)、橋本倫史さんと木村衣有子さんのトークイベント「風景を記述する」を開催します。お申し込みは、こちらのページよりお願いします: http://www.title-books.com/event/4510

  • 橋本倫史(はしもと・ともふみ)
  • 橋本倫史(はしもと・ともふみ)

    1982年生まれ。広島県東広島市出身。2007年よりライターとして活動。また、2007年にリトルプレス『HB』を創刊。以降、『hb paper』、『SKETCHBOOK』、『月刊ドライブイン』などいくつかのリトルプレスを手がける。また、マームとジプシーの活動に密着し、『沖縄観劇日記』、『沖縄再訪日記』、『Firenze,2013』、『イタリア再訪日記』、『まえのひを再訪する』などを刊行。

開催日
2018年6月7日(木)ー 2018年6月25日(月)
時間
12:00 - 21:00 水曜・第三火曜日休み *イベント開催日(6月8日、14日、18日)は18:00にて終了
場所

Title2階ギャラリー

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